メルボルンでボヘミアン文化の発祥の地とされるフィッツロイは多彩なレストランやバー、カフェなどで活気に溢れたメルボルンの郊外です。町の至る所にはストリートアートが展開しており、画廊なども多くメルボルンで最も芸術活動が盛んな地域の一つとなっているエリアです。
週末の夜は活気のあるパブなども意外と多く、そんなフィッツロイの中心部にある昔から地元の人に人気のNaked for Satan というバスク料理のレストラン(個人的にはパブという方がしっくりくる)を紹介します。
Naked For Satan(ネイキッド・フォー・サタン)とは
Naked for Satan “サタン(悪魔)のための裸”?という強烈なネーミングになんとなく興味をそそられますが、この歴史が面白いので簡単に紹介します。
1928年にロシアからメルボルンへと渡ってきたSatanovich(サタノヴィッチ)さん(周りの人からは親しみを込めてSatanovichから文字ってサタンと呼ばれる)が清掃員兼管理者として働いていた建物もオーストラリアを襲った恐慌により一部が閉鎖されることに。
そこを片付ける任務を与えられたサタンさんは当時高価なものだったアルコールに注目し、元々ロシアのウォッカ製造業者の孫でもあった彼はそこで独自に銅製のボイラーと水タンクを溶接してウォッカの蒸留器を作り上げ、そこで密造酒を秘密裏に行ったのが始まり。
猛暑のメルボルンでボイラーから発生する凄まじい熱の中、あまりの暑さにほぼ全裸で仕事をする彼の様子から製造に関わる人たちの間で「Let’s get Naked for Satan(サタンの為に裸になろう)」と言う秘密の合言葉が生まれ、それがお店の名前”Naked For Satan”の由来となっている。(お店の名前のサタンは悪魔のことではなくサタノヴィッチさんの愛称だったわけです。)
フィッツロイの地元の人々の間で密かに人気になり、パブの閉まる日曜日には空のボトルを持参して「悪魔のウォッカ」を入れにきていたそうです。
Naked for Satanの店内
Naked for Satan 1階<バー・レストラン>
種類豊富なNaked for Satanのタパスはなんとたったの各50セント。(屋上には持って上がれないので注意)お会計時につまようじの本数を数えてお支払いというシステムになっています。
(筆者はよく最初の一杯はここでタパスをツマミにお酒を飲んでから屋上のラウンジへ行ってました。)
個性的なNaked for Satanの見どころ?
階段にはビッシリと男性、女性のヌード写真が貼られていてます。
トイレへ向かう通路もあえて暗くされており、赤いライトでちょっと怪しげな雰囲気を演出しています。Naked for Satanの名を体現しているかのようなこだわりが面白いですね。
Naked in the sky <バーラウンジ・レストラン>
一階からエレベーターに乗って屋上へ行くと屋上テラス席のあるバーラウンジとレストランの空間が広がっています。ちなみにオーストラリアでは、日本と違ってお酒を公園やビーチで飲むことは禁止されており、剥き出しのお酒の缶や瓶を持って外を歩くだけでも罰金を取られる場合がある為、テラス席でお酒が飲める場所はとても人気があります。
ネイキッド・イン・ザ・スカイからメルボルンセントラル向きのフィッツロイの街を一望しながら食事やお酒が楽しめちゃいます。
屋上からの景色を見るとよく分かるのですが、メルボルン郊外では建物の高さがどれも同じくらいで比較的低い建物が多いんです。その理由は、昔は大聖堂より高い建物の建築することが許されていなかったからだそうです。
フィッツロイの観光で万が一道に迷った際は、ブランズウィック通り沿いにセントパトリック大聖堂がどこからでも見えるようになっているので、そこを目指せばメルボルンセントラルの方へ戻れちゃいます。
メルボルンでの週末はぜひNaked For Satan(ネイキッド・フォー・サタン)でLet’s get drunk for Satan してみては?
住所 | 285 Brunswick St, Fitzroy VIC 3065 オーストラリア |
日曜〜木曜 | 12:00〜0:00 |
金曜、土曜 | 12:00〜1:00 |
コメント