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2023年と2024年は進む円安と上がらない給料のせいで海外留学が大ブームでしたね。
メディアでも海外出稼ぎ留学なんてトピックで取り上げられていたワーキングホリデーの話は記憶に新しいです。
そんなに稼げて英語も学べるならと、多くの人が一度は検討したことがあるのではないでしょうか?
2020年のコロナパンデミックは新規の留学生や移民を外から受け入れることが難しくなり、どの国も景気が悪くなりましたよね。
パンデミックが明けてから経済を再び力強く回すために移民の受け入れ強化をしたようですが、急激な移民の増加で、逆に移民インフレで住む場所や働く場所が足りなくなったという話です。
しかし、2024年の後半あたりから少しずつ雲行きが怪しくなってきた留学ブーム。
果たして何が起こっているのか、これからどうなっていくのか、
人気の留学先であるオーストラリアとカナダそれぞれの国で起こっていることを深掘りしていきます。
物価や家賃の高騰。
2025年版 | 最低賃金(時給)*2025年1月時点 | 平均家賃(月) |
オーストラリア (AUドル) | $24,10 (2370円) | $1000~1200 (98,000円~118,000円) |
カナダ(BC州)*州によって異なる (CAドル) | $17,40 (1910円) | $800~1000 (88,000円~11,000円) |
上の表でも分かるように、一見すると最低賃金でもフルタイム(週5日8時間の労働)で働いた場合、
ざっくり計算すると
オーストラリアなら月に給料は$3856 (38万円)ほど、
カナダ(バンクーバーやビクトリア)なら$2784 (31万円)程の給料を稼ぐことができます。
ちなみにカナダの場合はチップによる追加収入も見込めるので、
留学生の多くが働くであろう飲食店の場合は<最低賃金+チップ>で感覚的には大体$3500 (38万円)程になります。
日本では飲食店でこれだけの給料をもらえるところはなかなかないので出稼ぎ留学が人気になる理由がよくわかりますね。
仕事が全く見つからない?
給料水準自体は高い2つの国ですが、最近話題になっているのが仕事探しの難しさです。
メディアなどで、出稼ぎワーホリにきた人達が仕事が見つからず路上生活をしているとか、数ヶ月もしないうちに帰国しているとかですね。
実際はどうなのか、気になっている人もいると思います。
僕が聞いたり調べた限りでは、そんなことは”ほぼほぼ”ないです。
(日本のメディアでは大袈裟に言われてるだけ)
ただ全くあり得ない話かというとそういうわけではありません。
10年くらい前でさえ、一時的にホームレスになった日本人の話を聞いたことがあります。
意外とあるあるなことなんですけど、住んでいる部屋の住人や大家さんとトラブルになって急に住むところが無くなったり、なかなか住むところが見つからなくてホステル生活でお金がかかったりして更に仕事探しに苦戦すると、帰国か路上生活ってことも無いとは言えないわけです。
特にコロナパンデミックのあと留学生や移民が一気に増加して職探しのハードルが一時的に高くなったというのは事実で、求人で皿洗いの仕事に1,2時間で100件以上の申し込みがあったなんて話も。
留学来る前に”英語”と”お金”の準備
アドバイスできることはシンプル。
この2つだけは『しっかり準備しておきなさーい』
”英語”はある程度
日本人はオーストラリやカナダでもほとんどの人が日本人用の掲示板を利用するので、必然的に倍率が高くなるし職場は日本人ばかりなっちゃいます。
当たり前だけど、英語のサイトを使えば働く場所も住む場所も選択肢は増えます。
ローカルの職場なら英語で受け答えがある程度できないのと雇ってもらえないので中学英語は最低でもマスターしておきましょう。
”お金”はなるべく多く
ワーホリで稼ぐ予定だとしても、100万円は最低準備しておいたほうが良い。と一般的に言われています。
(個人的な経験では50~60万円ほどでもぶっちゃけなんとかなりました)
仕事と家が決まるまで、最低でも2〜3ヶ月仕事がなくても生活できるだけの資金は必須(語学学校に通う期間を除いて)。
家さえ見つかれば月2000ドルもあれば、まぁどちらの国でも生きてはいける。
オーストラリアもカナダも外食がめちゃくちゃ高いので、スーパーで食材買って自炊しなはれ。
家探しがもし難航した場合はバックパッカーがおすすめ。(いろんな国の人と関わる機会にもなる)
もちろんホテルは高いので、長期滞在にはおすすめしないです。
なかなか仕事が見つからなかったり、
仕事が見つかっても十分なシフトがもらえなかったり、、、
実際にしっかり稼げている人は少ないかもしれません。
そして最低賃金が高く設定されている理由はもちろん物価や家賃の高さが原因です。
オーストラリアとカナダの物価と家賃
”物価”
物価は大体日本の2倍で。特に”飲食費”は高いです、どちらの国も普通に外食をすれば一人あたり$20 (2100円)程は最低でもかかりますし、
カナダはさらにチップを15%~20%払います。
”家探しと家賃”
個人的な経験で言うとオーストラリアでの生活の方が部屋探しで苦労した気がします。
と言うのも上の表で挙げた家賃では完全な一人暮らしというのはできません。
日本人からすると『どうゆうこと?』てなっちゃいますが、
オーストラリアやカナダでは20代から30代の人達はシェアハウスに住むのが当たり前で、一人部屋(Own Room(オウンルーム))ならまだいいのですが、
オーストラリアだと1部屋を2人、酷いところだと3人でシェアしているところもざらにありました。
2Bedルームのアパートなどでは、5〜6人で住んで1つのバスルームしかないところなんかもあります。
当たり前のことですが、街の中心地、ダウンタウウンに近い程Rent(家賃)が高くなるので、
一人部屋が欲しいって人は街の中心地から離れた場所に住む必要があります。
日本のメディアなどで月に20万円以上貯金している人などが取り上げられていましたが、
頑張って自炊をしたり、家賃の安いところを探したり、それなりの苦労があることを覚悟しなければなりません。
移民の受け入れに制限?Visaが簡単に取れなくなってきた。
”ワーキングホリデー”
まずワーホリをこれから考えている人は安心して大丈夫なようです。
ワーキングホリデー制度自体はお互いの国の間でビザの発給数を決めているので、
急に片方の国だけ受け入れ人数を少なくすることはなかなか出来ません。
毎年一定数の日本人がオーストラリアやカナダへこれからも留学に行くことが出来るはずです。
数年前に一時的に現地のジョブオファーがないとカナダへのワーホリが出来ないことがあったのですが、
コロナによる入国制限が原因でした。
さてさて問題なのは、学生ビザと就労ビザです。
”学生ビザ”
まずは学生ビザですが、ビザを申請する際に銀行の残高証明が必要になります。
パンデミック以降この設定金額がかなり高く設定されるようになりました。
物価高騰が収まらないので仕方ないのですが、
ちなみに2024年からの残高証明の額は、
カナダなら$20,635 約220万円ほど
オーストラリアは$29,710 約290万円ほど
日本でこれだけの準備金を揃えるのは正直なかなか大変ですよね。
僕が個人的におすすめするのは、やる気があるなら語学学校ではなく現地の大学へ通うです!
学費はバカ高いですが、プログラムなどにもよりますが卒業後に通った年数分の働けるビザが貰えますし、現地での学歴は永住権の申請にも有利になることは間違いなありません。
ちなみに逆パターンで永住権を保持していると学費がめちゃめちゃ安くなります。
”ワークビザ”
<オーストラリアのワークビザは難しい?>
ぶっちゃけ、オーストラリアのワークビザはかなりハードルが高いです。
10年前とかだと飲食店でもワークビザをサポーしてくれるお店なんかもザラにありましたが、
年々ビザ発給の審査が厳しくなっており、お店側がワークビザを出すつもりでもビザが降りないケースもあるようです。
それでももしシェフとしてビザの取得を狙うなら寿司シェフなどはビザが降りやすい方と聞いたことがあります。
物価高が止まらないオーストラリアでは高い給料でビザのサポートを受けるのには、やはり専門性のある職種を選ぶのが一番いいです。
オーストラリアでは就労ビザで働く雇用者には最低賃金73,150ドル(約710万円)の年収を会社は保証しないといけないとか、、、
日本にいる間に現地の求人をチェックしてみるのもおすすめです。
どちらにしてもワーホリでオーストラリアに来て、永住したいと思ってもなかなかに狭き門なので、
可能なら日本で特定の分野のキャリアを積んでおくとチャンスが広がるでしょう。
<カナダのワークビザ事情は改悪か?>
カナダは2024年まではワークビザがかなり取りやすい環境にありました。
カナダで日本食レストラン(ジャパレス)で働く1番のメリットと言っても過言ではなかったのが、
そのワークビザを取るハードルの低さでした。
永住権を狙う人の多くは、永住権に必要なポイント(*カナダの永住権の取得方法の一つに”エクスプレスエントリー”というポイント制が導入されています。)をワークビザでの滞在で増やし、そこから永住権の取得へと繋げる方法が主流でした。
しかし、移民を本気で狙う他の国籍の人達の中には、お金で不正にビザのスポンサーになってもらったり、
ポイントの加点を狙う人が多く、一旦ビザさえ降りてしまうとその家族をカナダに呼べるビザなどがあり、
カナダ政府の意図しない方向で移民問題が大きくなっているのが現状でした。
しかし、ついに2024年の後半から不法移民を増やさない為の処置としてワークビザに対する規制がかなり厳しめに強化されることに…
少し話はズレるんですけど、カナダ国籍を持つ有権者達の中では移民問題についての不満が膨らんでいて、
選挙が近づいているカナダでは現在のカナダの首相(ジャスティン・トゥルードー)が再任のための票集めを目的としての政策って言われてる。
(ちなみにこの人、悪い噂が絶えないしロクな政策しないしでカナダでの嫌われ方半端ないです。)
脱線しましたが、
ワークビザの取得を目指している人の中で特に注目されている新しいルールが、スポンサーが雇用者に払う最低賃金の引き上げです。
巷で噂になっていたのがワークビザをサポートしてくれるスポンサー(会社)はビザ発給者に対して、なんと時給35ドル以上の支払いを保証しなければなければならないというものでした。
いやいや、時給35ドルって…yabasugiru
物価の高いと言われるバンクーバーでの最低賃金が現在17,4ドル。
飲食業は大体のところが最低賃金かキッチンでも20ドルちょっとです。
急に無理ゲーじゃあああ!!!
って思った人、ちょっと待ってください。
一応個人的に調べてみたら、必ずしもってことでもないみたいです。
<Low Wage Stream と High Wage Stream によって変わるワークビザ取得>
ざっくりな説明をすると、
カナダで働くためにはカナダの労働省が定めた”LMIA”と呼ばれる就労ルールを守らないといけないのですが、
会社が外国人労働者に出せるワークビザには
雇用者全体の20%までとか、そのエリアの失業率、職種によって制限が設けられています。
10人未満で経営している小さな飲食店などではそのお店では一人の外国人にしかワークビザが出せなくなったりするってことですね。
大体時給20ドルちょっとで雇用されている人達が申請できるワークビザは”Low Wage Stream” という
上で挙げたような制限付きのワークビザの申請になります。
しかし給料の高い職種、企業についてはこの限りではなく、
無制限に外国人にワークビザを発給することが出来るそうです。
今回話題になっていたのはこの”High Wage Stream”
(州ごとの給料の中央値を目安としてそれ以上の給料を払っている会社、要は給料の良い会社で働いている人)
に当てはまるワークビザ申請の条件の変更で、
給料の中央値(職種や州によって異なる)の+20%の給料の支払いが義務付けられるという
ルールの改変が噂の原因だったようで、実際に住んでいる州によっては35ドルほどの時給を払わなければならない場合があるということです。
例えば、トロントのカフェのマネージャーのポジションとしてビザを申請する場合、
トロントのカフェのマネージャーの時給は中央値が22ドル。
オンタリオ州の時給の中央値は約28ドル、トロントの失業率は7.9%(毎年発表される「失業率」が6%以上のエリアでは”Low Wage Stream”ではワークビザの申請はできない)のエリアだと”Low Wage Stream” では申請ができないのですが、
もし34ドルの時給でジョブオファーを受ければ”High Wage Stream”としてワークビザが申請できちゃう。
少し複雑な話でしたが、時給35ドルの真相はそういうことらしいです。
ただそこまでの給料を払って外国人にワークビザをわざわざ出すところがあるのかは疑問ですね。
ワーキングホリデーからワークビザでの滞在を狙っている人は失業率の低いエリアへ行くのがいいかもしれません。
こちらのカナダ移民局のサイト、気になる方はチェックしてみてください。
<エリア別失業率の確認>
留学に人気のあるエリアの失業率過去2年分と最新の2025年に発表されたデータ(一番右)です。
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大都市のトロント、人口も多く仕事も多いですが失業率高いです。
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アルバータ州は冬は激寒ですが、物価が比較的に安く、インフレが止まらないカナダでは近年バンクーバーなどから多くの人が移っていた為か失業率が高止まりしています。
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朗報はバンクーバーの失業率最新データが6%を切っているので、
”Low Wage Stream”でワークビザがねらえる可能性が出ています。
ビクトリアの失業率が低いのは個人的には意外でした。
もっと詳しく知りたい方はカナダ政府のウェブサイトから確認できます。
永住権申請のハードルが上がる?
今回、もう一つ移民受け入れの政策の変更点として、ワークビザで働くことでもらえていた永住権申請のためのポイント加算が廃止になる予定だそうです。
ワークビザから永住権を得るまでの過程で気にしなければならないのが、自分の保有しているエクスプレスエントリーのポイントです。
定期的に発表(ドロー)される総ポイント数(プログラムによって変わる)より自分が多くのポイントを保持していれば招待状が届き、晴れて永住権の申請へと進めるという流れです。
ポイントの加算は、職歴、職種、学歴、年齢、どこのエリアに住んでいるか、そして語学力などがみられます。
今回の変更が始まると、今まではワークビザで働いてさえいれば入っていたポイントがなくなってしまうということです。
ただ、これは自分だけ点数がもらえなくなるわけではなく、みんながもらえなくなるので、
もしかするとドローの点数自体が下がることもある可能性もあります。
こうなってくると、あとは点数をあげるのに注力するべきは語学力になってくると思うので英語の勉強あるのみです。
日本ではTOEICが主流ですが、カナダでは学校や永住権などでIELTSのスコアが重要視されるので、時間がある人はぜひIELTSの勉強をおすすめします。
今のタイミングで海外留学はアリorナシ?
留学自体は全然アリです!
世間ではいろいろ言われていますが、理由が”出稼ぎ留学”でも全然いいと思います。
何より経験として海外で生活すること自体に価値があると思います。
円安で厳しいですが、来るかもわからない円高のタイミングを変に待って機会を伸ばすよりも行きたいと思っているときに行くほうが絶対得るものが多いと思います。
仕事や家探しは現地に行けば大体なんとかなります。
仕事は見つからなければ、Uber Eatsでもいいんです。
(僕もメルボルンの町中を自転車で走り回っていましたw)
留学行って価値観変わるはマジ!ですw
これからも不定期ではありますが、僕もブログ更新続けていきます。
お互い頑張りましょう!
それでは〜
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