良い側面ばかりではない?カナダ留学で人気上昇中のケロウナへの留学は本当にアリなのか。

ここカナダのケロウナと言う街はオカナガンレイクという湖に面して栄えた街で、たくさんのビーチとワイナリーの聖地としても知られており、俗に言うリゾート地としてカナダでも有名です。

コロナパンデミック時こそ殺伐としていましたが、近年急速にその人気を取り戻しており、カナダでの留学先としても再び注目を集めています。

一昔前まではカナダ留学の隠れスポットととして密かに人気でしたが、今では日本人の留学生を街で多く見かけるようになりました。

もしかすると今この記事を読んでくれているあなたも留学先としてケロウナを検討中だったりするかもしれませんね。

まさに今回はそんなホットな話題に上がるケロウナについてちょっとリサーチしたい人向けの内容になります。

ケロウナの魅力

カナダ留学と聞くと日本人のイメージ的には自然が溢れている、日本からとても遠くアメリカに近い、そしてとにかく寒い。大体この3つを思い浮かべると思います。

実際にその通りで、世界で2番目に大きな土地を有しています。

ですが驚くべきはその人口の少なさです。カナダ全体の人口はおよそ3700万人、日本の約3分の1程度の人口です。

さらに人口の多くはトロント、バンクーバーに集中しており、その他の街も発展しつつあるとはいえ、人が住むエリアは限られていてどこも自然が溢れています。

さらに冬は−30℃以下の極寒になる所も多く、カナダを訪れる日本人の多くは適応するまでに時間がかかるかもしれません。

しかし、ケロウナはカナダの冬季でも他の地域に比べて−20°以下の極寒になることは少なく、カナダ内陸部でも2番目に暖かい冬を過ごすことができます。

僕自身4度の冬をケロウナで過ごしてきましたが、日本で着ていたのと同じような冬用のアウターでもほとんどの日は問題なく生活できています。

ちなみにカナダは四季もはっきりしていて、夏は普通に日本のような30℃を超える日や40°を超える猛暑日もあります。

そして前述した通り、ケロウナの夏はカナダ人にも特に人気で、オカナガンレイクという巨大な湖を中心にビーチがいくつもあり、湖水浴を満喫できます。

またワイナリーやサイダリーが何十とあり、ワイナリーツアーを目的に多くの観光客がカナダ各地から集まります。

ケロウナのダウンタウンにもビーチや大きな公園があり、半分水着姿みたいな格好で歩く人々も多く、その様子はまるで「カナダのハワイ」です。

ケロウナはBC州の中では3番目に大きな規模で、程よく田舎、だけど食事やショッピングも楽しめるくらいには栄えているので人気が集まるのも納得です。

英語を学ぶ環境としてもバンクーバーやトロントに比べてアジア人が少ないのも魅力になるかもしれません。

また、お金持ちが集まるケロウナでは、暮らしに余裕のある家庭がホームステイの受け入れ先となってくれている場合もあるようで、所謂 ”当たり”のホームステイ先が比較的に多いことも周りの留学生さんからの話で聞きます。

この海外のホームステイはハズレに当たるケース(ホームステイ先もビジネスなので)も多く、カナダに限らず今まで信じられないような話をいくつも聞いたことがあります。

ただでさえ心細い海外生活、住む所は本当に大事です。

ケロウナの抱える”負”の側面

ここまでケロウナの良い側面だけをお伝えしてきましたが、残念ながら負の側面を抱えていることも事実です。

そして近年その”負の側面”は確実に広がっているように感じます。

実際に周りの人たちとの会話の中でも度々話題に上がる2つの問題、それらをお伝えしていこうと思います。

まず第一の問題は”治安の悪化”です。

2018年、カナダではマリファナ(大麻)が合法化、もともとカナダではそこまで厳しくは取り締まられていなかったマリファナですが”合法化”となることで誰もが手軽にドラッグに手を出せる環境になってしまいました。

さらに昨今、バンクーバーやケロウナのあるブリティッシュコロンビア州(以後BC州)では信じられないことにコカインの使用まで認可すると言う声明が出されました。

そしてケロウナではそれに比例するかのようにホームレスの数が年々増加しており、僕がケロウナに住み始めた4年前と比べ他だけでもその数は数倍に増えています。

4年ほど前までは、ケロウナのダウンタウンにある「Leon Ave」という通りにのみ多くのホームレスが溜まっていて、カナダに来たばかりの僕でも「あー、この通りはあまり安全じゃなさそう」と認識でき避けていたのですが、今ではダウンタウンのどこもかしこもホームレスだらけです。

ここで問題なのが日本とカナダのホームレスの大きな違いです。

日本ではホームレスが危険といったイメージはありませんし、ドラッグをやっているイメージもないですよね。

カナダのホームレスはもちろん全ての人が危険という訳ではありませんが、その大半はドラッグに手をつけています。

そして躊躇なく道行く人にお金などを求めて声をかけてきます。

中にはやんわりと断ってもその場で暴言を吐かれることも、、、。僕が働いていたダウンタウンのレストランの外にはいつも奇声をあげて歩き回る者、店の前でマリファナやクラック、覚醒剤を隠れるそぶりもなく堂々とする者、裏路地で用をたす者など毎日のように見てきました。

お店の外のゴミ箱に火をつけられる放火未遂も何度か起こったほどです。

友人の働いていたレストランでは夜中に強盗に入られる事件が立ったの数カ月の間に3度もありました。

この異常なまでのホームレスの増加は一体どうして起こってしまうのか、度々耳にするのはバンクーバーなどから国の政策でホームレスが輸送されて来ているという話。

大きな街で抱えきれなくなったホームレスを他の街にお金を払いなすりつけるという行動、本当に起こっているならそれだけでも大きな問題です。

 

第二の問題は”不動産物件の高騰”です。

バンクーバーやトロントはカナダ人だけでなく中国の富裕層にも移住先として元々人気があり、年々不動産価格が急激に高騰していることが問題視されていましたが、その流れはケロウナでも明らかに見られます。

ケロウナはカナダ人が老後に住みたい街の上位に選ぶほど人気で、湖周りビーチ周辺などにはお金持ちの豪邸が立ち並んでおり、その人気は年々上昇しています。

ケロウナ全体の不動産市場も10年前に購入した家が現在では倍の価格になっているなんてことはザラで、コロナ化での金融緩和がさらにその流れに拍車をかけ2022年はまさに不動産バブルのピークでした。

2023年に入りカナダ銀行が利上げを本格化し不動産バブルも少しその流れを緩やかにしたように感じますが、一度上がった不動産価格はなかなか下がるものではなく、住宅金利の上昇、さらにエネルギー価格や水道料金の高騰が部屋を借りるためのテナントの家賃をさらに推し上げ、生活を圧迫しています。

僕自身現在住んでいるアパートは立地こそダウンタウンですが、広さは1DKでレントは月$1930、これは日本円にしたら月20万円超えます。

さらにWifi料金と電気代は別。元々住んでいるところが気に入っていたことや引越し先を選り好みにしたのもありますが、コスト面や立地条件の合う物件はなかなか見つからず、部屋探しは難航し役9ヶ月を要しました。

留学などでルームシェアなどをするともちろんコストは抑えられますが、今の相場だとほんとに安くて月$750、ほとんどは$900くらいはかかると思います。

カナダ留学はお金が貯まる!って話題が日本で一時期取り上げられていましたが、あくまで倹約に励めばの話です。

普通に外食に行って、友達と遊んで、旅行に行ったりしてれば貯金できる金額は思い描かくほどのものになるかは疑問です。

ちなみにバンクーバーでは家を購入しようとすると最低年収100万ドル(日本円で1億円)以上は収入がないといけないなんて話もありますが、ケロウナでもすでに一般人には一軒家の購入はかなりハードルが高くなっており、ケロウナでの暮らしを諦め別の州に移る人々も珍しくないというのが現実です。

まとめ

4年間のケロウナでの生活を通して、良い面、悪い面どちらも身近に感じてきました。

正直カナダでもここまで住みやい気候の街はなかなかないですし、僕自身はこれからも住み続けることができるなら、今のところはこのケロウナに残り続けたいと思っています。

ただ年々、街の発展の背景には前述した不安要素が膨れ上がっています。

果たしてこれから5年,10年先も金銭的に豊かに生きていけるのか、治安は良くなっていくのか?それらの問題をこれからも観察しながら考えていきたいと思います。

短期〜数年を目安にカナダへの留学を考えているのであれば、ケロウナはきっと良い留学先となるはずです。

旅行でケロウナを考えている方はぜひ一度夏のケロウナに訪れてみてください。

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